いにしへの 奈良の都の八重桜 けふ九重に にほひぬるかな
あらすじ
のどかな春のある日、都の天皇に仕える臣下が、奈良の春日大社に参詣します。境内には、ナラノヤエザクラを仰ぎ愛でている老人が一人、立ち去る気配はありません。臣下がそのわけを尋ねると、これが古人が歌に詠んだ「いにしへの奈良の都の八重桜…」であると言い、春日大社の起こりについて詳しく語り始めます。そして我こそ水谷神社の神の化身であることをほのめかして姿を消します。
その夜のこと、臣下がゆめうつつの状態でいると、水谷の神様が現れます。ナラノヤエザクラが咲き誇るなかで、平穏に栄える世を寿ぐのでした。
能《奈良八重桜》復曲、初演に至るまで
室町時代から現代までに創られた能は三千を超え、大和を舞台とする能は百二十二あるそうです(法政大学名誉教授・能楽研究者=西野春雄氏)。ナラノヤエザクラを題材とするこの能もそのうちの一つですが、江戸時代以降は演じられず埋もれたままになっていました。「奈良八重桜の会」は、設立20周年となる令和3年、興福寺の多川俊映寺務老院を通じてこのことを知り、ぜひ復曲したいと思い立ちました。資金はクラウドファンディングで募り、奈良ゆかりの「金春流」シテ方能楽師、金春穂高氏に復曲を依頼、晴れて初演の日を迎えることができました。
古来、興福寺東円堂の前に一本の美しいナラノヤエザクラがあったことは、伊勢大輔の詠んだ「いにしえの奈良の都の八重桜…」をはじめ、『沙石集』『七大寺巡礼私記』『多門院日記』など多くの歌や物語で知ることができます。この復曲能《奈良八重桜》も、そんな古典のひとつと言えましょう。
ナラノヤエザクラ
あらゆる桜のなかでいちばんの遅咲き。蕾は真紅、こぶりで清楚な花を開くと淡いピンク色になり、散り際に再び紅色を濃くする。奈良県、奈良市の花。東大寺塔頭、知足院のものは国の天然記念物。奈良公園に約700本あるほか奈良女子大学、大和文華館などで見られる。
復曲能 奈良八重桜
13時30分開演(12時30分開場)
シテ(前:宮守の翁) 金春 穂高
(後:水谷の神)
ワキ(大臣) 原 大
ワキツレ(従者) 原 陸
ワキツレ(従者) 久馬 治彦
アイ(所の者) 善竹 忠重
笛 赤井 要佑
小鼓 荒木 建作
大鼓 辻 雅之
太鼓 上田 慎也
後見 金春 憲和、金春 飛翔、金春 嘉織
地謡 金春 安明、高橋 忍、金春 康之、佐藤 俊久、酒井 賢一、中田 能光、
田中 直樹、湯本 哲明
主催:奈良八重桜の会
後援:奈良県/奈良市/田原本町/奈良県教育委員会/奈良市教育委員会/興福寺/東大寺/春日大社/
奈良国立博館/大和文華館/奈良女子大学/奈良商工会議所/奈良市観光協会/DMG森精機株式会社/
奈良トヨタ株式会社/小山株式会社/トヨタレンタリース奈良/奈良県旅館・ホテル生活衛生同業組合/
奈良ゾンタクラブ/予野八重桜保存会/奈良女子大学同窓会 佐保会/奈良新聞社/朝日新聞奈良総局/
読売新聞奈良支局/毎日新聞奈良支局/産経新聞社/奈良テレビ放送/ならどっとFM
一般 前売 5,000円 当日 6,000円
学生 前売 2,000円 当日 2,500円
奈良八重桜の会
e-mail:naranoyaezakuranokai@gmail.com
HP:http://www4.kcn.ne.jp/~kagiroi/yaezakura/naranoyaezakurahp.html(外部リンク)
奈良八重桜の会
お申込み
電話:090-8207-8102(担当 徳永)
FAX:0742-33-8486
e-mail:naranoyaezakuranokai@gmail.com
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お振込み
南都銀行 本店営業部 普通預金 0991106 奈良八重桜の会 代表 上田トクヱ
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