令和7年度 奈良金春会演能会
能「源氏供養」(げんじくよう)
都の安居院の法印(ワキ)が供の僧(ワキツレ)を連れ、石山寺(滋賀県)に参詣する。法印の前に女(前シテ)が現れ、『源氏物語』の主人公である光源氏の供養を頼み、自分は紫式部であるとほのめかし消え失せる。そこで法印が供養すると、紫式部の霊(後シテ)が現れて布施の代わりに曲舞を舞う。紫式部が石山観音の化身であり、『源氏物語』は無常を世に知らせるために書かれたと霊は述べる。
紫式部の霊の舞う、長大な曲舞が中心です。曲中には、『源氏物語』の巻名が巧みに詠みこまれています。
能「融」(とおる)
旅の僧(ワキ)が都の六条河原院で汐汲みの老人(前シテ)と出会う。老人は、昔、融の大臣が河原院に陸奥塩竃の浦を模して庭を作り、難波浦から運んだ海水で塩焼きをし、数々の遊びをしたことを語る。さらに老人は都の名所の山々を数え、田子を担いで汐を汲むと汐煙の中に姿を消す。近くに住む男(アイ)が融の話を語り、僧は眠りにつく。月明かりの下、融の霊(後シテ)が在りし日の姿で現れる。融の霊は懐旧の思いで「早舞」を舞い、月の都に帰って行く。
源融は政治的には不遇でしたが、風雅に生きた人物として知られます。紀貫之の歌「君まさで煙絶えにし塩竃のうらさびしくも見えわたるかな」が主題曲のように響きます。 世阿弥作。
解説 中司 由起子
次回予告
6月29日(日) 能「奈良詣」金春 飛翔 能「鵜飼」金春 憲和
7月27日(日) 連合謡曲仕舞会
10月19日(日) 能「小鍛治」田中 直樹 能「景清」金春 穂高
仕舞「自然居士」 田中 直樹
「芦刈」キリ 中田 能光
能「源氏供養」 シテ(前・里女、後・紫式部) 髙橋 忍
ワキ(安居院の法印) 原 大
ワキツレ(従僧) 原 陸
ワキツレ(従僧) 久馬 治彦
笛 赤井 啓三
小鼓 荒木 建作
大鼓 守家 由訓
〈休憩 20分〉
狂言「二九十八」 シテ(男) 茂山 宗彦
アド(夢想の妻) 茂山 竜也
仕舞「嵐山」 金春 飛翔
「小塩」キリ 中村 昌弘
「鞍馬天狗」 本田 芳樹
能「融」 シテ(前・老翁、後・源融の霊) 金春 嘉織
ワキ(旅僧) 原 陸
アイ(門前の者) 島田 洋海
笛 赤井 要佑
小鼓 荒木 建作
大鼓 森田 泰幸
太鼓 上田 悟
付祝言 (終了予定 午後4時30分頃)
主催:奈良金春会
後援:奈良県、奈良市教育委員会、(公社)金春円満井会
四枚綴回数券 20,000円
一般一回券 7,000円
学生一回券 3,500円 ※
※学生券は当館窓口でも販売いたします。学生証の提示をお願いいたします。
また、公演当日に主催者より学生証の提示をお願いする場合がございますのでご了承願います。
◎奈良春日野国際フォーラム 甍 ~I・RA・KA~ 電話:0742-27-2630(月曜休館)
◎奈良金春会 電話:0742-33-9720(金春)
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