令和4年度 奈良金春会演能会
「金札」(きんさつ)
桓武天皇の勅使(ワキ)が臣下(ワキツレ)を伴い、大宮(神社)を造営するために伏見の里を訪れる。宮造りの場に、伊勢国あこねの浦に住む祢宜姿の老人(前シテ)が現れる。老人は「切る物尽くし」の歌と椎の木や柳などの「木尽くし」の歌を謡って、宮の造営を寿ぐ。すると天より金札が降ってくる。老人は、自分は伊勢大神宮が遣わした天津太玉の神と明かして消え失せる。里の男(アイ)が、金札の降ってきた不思議な出来事を語る。やがて、天津太玉神(後シテ)が出現。弓で悪魔を射払って御代をたたえ、金札を宮に納める。
観阿弥作の謡物「伏見」の一節を含んだ、古い形式の脇能と考えられています。
「紅葉狩」(もみじがり)
女たち(前シテ・ツレ・アイ)が紅葉狩に出かけ、紅葉の木蔭で休んでいると、その近くを馬に乗った武将、平維茂(ワキ)が通りかかる。従者(ワキツレ)に様子をうかがいに行かせると、身分の高い女たちが宴を催しているとのことであった。立ち去ろうとするが、女に引き留められ酒宴に加わり、優雅な舞に見とれているうちに眠ってしまう。女たちの様子が変わり、維茂に「夢を覚ますな」と言い残し姿を隠す。維茂の夢に八幡神の末社の神(アイ)が現れ、女の正体は戸隠山の鬼であると告げ、太刀を授ける。鬼(後シテ)が目覚めた維茂に襲いかかるが、激しい戦いの末に刺し倒される。
女の優雅な舞が、途中で急に激しい舞へと変化する場面に注目。後半の鬼の登場を予感させます。
解説 中司 由起子
次回予告
◎来年は、奈良春日野国際フォーラム 甍の改修工事に伴い、会場を なら100年会館 中ホール に変更し、開催します。
令和5年度 奈良金春会演能会 予定日
4月23日(日) 6月25日(日) 10月15日(日) 11月19日(日)
令和5年度 奈良金春連合会 謡曲・仕舞会 予定日
7月16日(日)
仕舞「安宅」 酒井 賢一
「六浦」キリ 吉川 恵宥
能「金札」 シテ(前・老翁/後・天津太玉神)髙橋 忍
ワキ(勅使) 原 大
ワキツレ(従臣) 有松 遼一
ワキツレ(従臣) 原 陸
アイ(伏見の里の者) 井口 竜也
笛 赤井 啓三
小鼓 荒木 建作
大鼓 辻 雅之
太鼓 上田 慎也
〈休憩 20分〉
狂言「因幡堂」シテ(男) 茂山 あきら
アド(女) 網谷正美
仕舞「高砂」 金春 穂高
「玉葛」 中村 昌弘
「邯鄲」 金春 憲和
能「紅葉狩」シテ(前・上臈/後・鬼女) 金春 飛翔
ツレ(侍女) 湯本 哲明
ツレ(侍女) 中田 能光
ツレ(侍女) 金春 嘉織
ワキ(平維茂) 原 陸
ワキツレ(太刀持ち) 有松 遼一
ワキツレ(勢子) 佐々木 奏太
ワキツレ(勢子) 原 大
アイ(女) 井口 竜也
アイ(末社の神) 増田 浩紀
笛 赤井 要佑
小鼓 荒木 建作
大鼓 辻 芳昭
太鼓 上田 慎也
付祝言
(終了予定 午後4時半頃)
主催:奈良金春会
後援:奈良県、奈良市教育委員会、(公社)金春円満井会
5枚綴回数券 20,000円
一般1回券 5,000円
学生1回券 2,500円 ※
※申し訳ございませんが、学生券は、当館ではお取り扱いしておりません。
下記お問い合わせ先までお願いいたします。
◎奈良春日野国際フォーラム 甍 ~I・RA・KA~ 電話:0742-27-2630(月曜休館)
◎奈良金春会 電話:0742-33-9720(金春)
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