令和三年度 奈良金春会演能会
能「経政」(つねまさ)
都の北山仁和寺御室の御所に仕える行慶(ワキ)が、源平合戦で戦死した平経政の弔いをする。経政の愛用していた琵琶が仏前に供えられ、管絃の供養がおこなわれる。すると経政の霊(シテ)が現れ、琵琶を奏で夜遊の昔を懐かしむ。やがて修羅の苦しみの時となり、霊は灯火に映る姿を恥じ、灯火を吹き消して失せる。
『平家物語』には、経政が御室の守覚法親王に琵琶の名器「青山」を賜ったものの、都落ちに際して親王に返した話が見えます。
能「藤戸」(ふじと)
藤戸の先陣の功によって備前国児嶋を賜った佐々木三郎盛綱(ワキ)が、従者(ワキツレ)を伴い領主として藤戸を再び訪れる。すると女(前シテ)が盛綱に我が子を殺されたと訴え出る。藤戸の先陣争いの際に、浦の男から浅瀬を教わった盛綱は、その男が浅瀬を他人にも教えるのではと思い、斬り殺したことを告白する。女は盛綱に詰め寄り、泣き伏す。盛綱は供養を約束し、召使い(アイ)に女を家に送り届けさせる。浦の男の法要が営まれると、男の亡霊(後シテ)が現れ、殺されて海に沈められた恨みを述べる。
母親が盛綱に詰め寄る場面は、深い絶望感と切迫感に満ちています。素材は『平家物語』巻十「藤戸」。
解説 中司 由起子
次回以降の予定
令和四年度 奈良金春会演能会
4月24日(日)
6月19日(日)
10月16日(日)
11月27日(日)
令和四年度 奈良金春会連合 謡曲・仕舞会 予定日
7月10日(日)
能のお話 金春 穂高
仕舞「花月」クセ 酒井 賢一
「蝉丸」 吉川 恵宥
「殺生石」 金春 嘉織
能「経政」 シテ 金春 康之
ワキ 原 大
笛 佐鴻 雅義
小鼓 荒木 建作
大鼓 辻 雅之
〈休憩 20分〉
狂言「呼声」 シテ 茂山 千五郎
アド 茂山 茂
アド 島田 洋海
仕舞「葛城」 辻井 八郎
「松虫」キリ 金春 飛翔
能「藤戸」 シテ 金春 安明
ワキ 原 陸
アイ 茂山 逸平
笛 赤井 要佑
小鼓 荒木 建作
大鼓 辻 芳昭
太鼓 中田 一葉
付祝言
(終了予定 午後4時頃)
主催:奈良金春会
後援:奈良県、奈良市教育委員会、(公社)金春円満井会
5枚綴回数券 20,000円
一般1回券 5,000円
学生1回券 2,500円 ※
※ 申し訳ございませんが、学生券は、当館ではお取り扱いしておりません。
下記お問い合わせ先までお願いいたします。
◎奈良春日野国際フォーラム 甍~I・RA・KA~ 電話:0742-27-2630(月曜休館)
◎奈良金春会 電話:0742-33-9720(金春)
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