令和2年度 奈良金春会演能会
能「楊貴妃」(ようきひ)
唐の玄宗皇帝の命を受けた方士(道教の呪術師・ワキ)が、亡くなった楊貴妃(シテ)の霊魂を探し求める。方士は常世の国蓬莱宮にたどり着き、常世の国の男(アイ)の案内で貴妃と出会う。貴妃は形見の玉のかんざしを方士に与え、皇帝と交わした永遠の愛を表す言葉「比翼の鳥、連理の枝」を出会いの証拠とするように告げて舞を舞う。方士は都に帰るが、貴妃はひとり宮にとどまる。
仙宮に寂しく住む貴妃の美しくも哀愁漂う風情が表現されます。貴妃の舞う「序ノ舞」も見どころ。金春禅竹作。
能「阿漕」(あこぎ)
伊勢神宮に参詣する僧(ワキ)が、伊勢国(三重県)阿漕が浦を訪れる。そこへ漁師の老人(前シテ)が現れ、僧と言葉を交わす。老人は浦にまつわる阿漕の物語を語り始める。昔、阿漕と呼ばれる男が毎夜、禁漁区で漁をしていたが、ついに露見して沖に沈められた。そして自分こそ阿漕の霊とほのめかし消え失せる。浦の男(アイ)に話を聞いた僧が供養をすると、阿漕の霊(後シテ)が現れる。辺りには地獄の情景が出現し、魚は悪魚毒蛇となって霊を責めるが、霊はさらなる供養を願い、波の底に消えてゆく。
阿漕の霊は、四ツ手綱という網に魚を追い込む漁の様子を再現してみせます。
解説 中司 由起子
次回予告
11月29日(日) 能「生田」髙橋 忍 能「葵上」金春 安明
能のお話 髙橋 忍
仕舞「高砂」 金春 嘉織
「生田」キリ 田中 直樹
「歌占」キリ 湯本 哲明
能「楊貴妃」 シテ(楊貴妃) 中田 能光
ワキ(方士) 原 陸
アイ(在所の者) 松本 薫
笛 赤井 要佑
小鼓 荒木 建作
大鼓 守家 由訓
〈休憩 20分〉
狂言「千鳥」 シテ(太郎冠者) 茂山 千之丞
アド(主人) 丸石 やすし
アド(亭主) 茂山 宗彦
仕舞「淡路」 金春 飛翔
「六浦」キリ 辻井 八郎
「融」 金春 穂高
能「阿漕」 シテ(前・漁師/後・阿漕の亡霊) 金春 康之
ワキ(旅僧) 岡 充
アイ(所の者) 山下 守之
笛 左鴻 雅義
小鼓 荒木 建作
大鼓 森山 泰幸
太鼓 中田 弘美
付祝言
(終了予定 午後5時頃)
主催:奈良金春会
後援:奈良県、奈良市教育委員会、(公社)金春円満井会
五枚綴回数券 20,000円
一般一回券 5,000円
学生一回券 2,500円 ※
※ 申し訳ございませんが、学生券は、当館ではお取り扱いしておりません。
下記お問い合わせ先までお願いいたします。
◎奈良春日野国際フォーラム 甍~I・RA・KA~ 電話:0742-27-2630(月曜休館)
◎奈良金春会 電話:0742-33-9720(金春)
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