令和4年度 奈良金春会演能会
能「西王母」(せいおうぼ)
古代中国の周の穆王(ぼくおう)に仕える官人(アイ)が、王の治世をたたえ行幸を告げ、穆王(ワキ)が大臣(ワキツレ)を連れて豪華な宮殿に行幸する。そこへ女(前シテ)がやって来て、三千年に一度だけ花咲き、実を結ぶ仙境の桃の花を捧げる。女は西王母の分身であると明かして天に上る。王が管絃を奏して待つと、西王母(後シテ)と桃の実を持った侍女(ツレ)が現れる。西王母は王に桃の実を捧げ、舞を舞うと空へ消えて行く。
仙女西王母が御代を祝して捧げ物をする、めでたく華やかな作品です。寺院の法会の後におこなわれた延年風流の演目の影響があるとされます。
能「通小町」(かよいこまち)
八瀬の山里で夏を過ごす僧(ワキ)のもとに女(ツレ)がやって来る。女は木の実を捧げて木の実尽くしの歌を謡うと、小野小町の霊であるとほのめかし消え失せる。僧は市原野に小町の墓があることを思い出し、市原野で小町の供養をする。すると小町の霊(ツレ)が現れて成仏を願う。さらに生前、小町に恋をしていた深草の少将(シテ)の霊も現れる。少将は百夜通いの様を再現してみせ、小町への執心と苦悩を語り、僧の弔いにより小町と共に成仏する。
少将は恋心を伝えるために小町のもとへ百夜通おうとしますが、九十九夜で焦がれ死にしました。<通小町>は、金春権守が奈良多武峰で演じた作品を観阿弥が改作した能。さらに世阿弥の手も加わっているとされています。
解説 中司 由起子
次回予告
6月19日(日) 能「二人静」金春 穂高 能「熊坂」金春 憲和
7月10日(日) 連合謡曲仕舞会
10月16日(日) 能「敦盛」中田 能光 能「遊行柳」金春 康之
11月27日(日) 能「金札」髙橋 忍 能「紅葉狩」金春 飛翔
仕舞「田村」キリ 湯本 哲明
「山姥」キリ 田中 直樹
「天鼓」 吉川 恵宥
能「西王母」 シテ(前後・西王母) 髙橋 忍
ツレ(侍女) 竹内 昭之
ワキ(周の穆王) 原 陸
ワキツレ(大臣) 佐々木 奏太
アイ(官人) 柴田 鉄平
笛 赤井 要佑
小鼓 荒木 建作
大鼓 守屋 由訓
太鼓 上田 悟
〈休憩 20分〉
狂言「雁礫」 シテ(大名) 茂山 茂
アド(道通り) 井口 竜也
アド(仲裁人) 島田 洋海
仕舞「嵐山」 山井 綱雄
「熊野」キリ 金春 康之
能「通小町」 シテ(深草少将の霊) 金春 穂高
ツレ(小野小町の霊) 金春 嘉織
ワキ(山居の僧) 原 大
笛 左鴻 雅義
小鼓 荒木 建作
大鼓 山本 寿弥
付祝言
(終了予定 午後4時頃)
主催:奈良金春会
後援:奈良県、奈良市教育委員会、(公社)金春円満井会
五枚綴回数券 20,000円
一般一回券 5,000円
学生一回券 2,500円 ※
※申し訳ございませんが、学生券は、当館ではお取り扱いしておりません。
下記お問い合わせ先までお願いいたします。
◎奈良春日野国際フォーラム 甍 ~I・RA・KA~ 電話:0742-27-2630(月曜休館)
◎奈良金春会 電話:0742-33-9720(金春)
PDFファイルを利用するにはアドビ社が無償配布する「Adobe Reader」をインストールする必要があります。
Adobe Reader(無償配布)は以下バナーをクリックして入手してください。