令和2年度 奈良金春会演能会
能「源太夫」(げんだゆう)
勅使(ワキ)が従者(ワキツレ)を伴い尾張国熱田明神に参詣し、老夫婦(前シテ・前ツレ)と出会う。老夫婦は熱田明神と出雲の神が一体であることや、素戔烏尊(そさのおのみこと)の詠んだ「八雲立つ出雲八重垣」の歌の謂れ、日本武尊(やまとだけのみこと)が素戔烏尊の再来であることを教え、素戔烏尊が出雲で大蛇を退治して手摩乳(てなずち)と脚摩乳(あしなずち)の娘稲田姫を救った物語を語る。さらに二人は、老翁脚摩乳が名を変えて源太夫の神となり、東海道の守護神となったと述べ、自分たちは手摩乳と脚摩乳であると正体を明かし、消え失せる。熱田明神の末社の神(アイ)が現れ、大蛇退治の物語を語り、舞楽の太鼓を持ち出す。やがて日本武尊の妃橘姫(後ツレ)と源太夫の神(後シテ)が出現し、源太夫は太鼓を打ち、二人は舞楽を舞う。
橘姫と源太夫の神は「楽」を舞います。金春流のみが現行曲とする作品です。
能「杜若」(かきつばた)
旅の僧(ワキ)が三河国八橋で杜若に見とれていると、女(シテ)が声をかける。女は在原業平が詠んだ杜若の和歌「唐衣着つつ馴れにし妻しあれば、遥々来ぬる旅をしぞ思う」の話をし、僧を庵に案内する。業平の思い人、高子(たかきこ)の后の衣と業平の冠を身につけた女は、自分は杜若の精であると明かす。さらに業平は歌舞の菩薩であると述べて、『伊勢物語』の恋物語を語り舞う。
『伊勢物語』に描かれた、業平の数々の恋や、東下りを謡った長大な曲舞と序ノ舞が中心で、杜若の花の精に、高子と業平のイメージが重なり合って見える艶やかな能です。
解説 中司 由起子
次回以降の予定
7月12日(日) 午前中 連合謡曲仕舞会
午後1時頃から 能「弱法師」「胡蝶」
9月27日(日) 能「楊貴妃」「阿漕」
11月29日(日) 能「生田」 「葵上」
能のお話 佐藤 俊之
仕舞「生田」クセ 田中 直樹
「東北」キリ 中田 能光
「鵜飼」キリ 酒井 賢一
能「源太夫」 シテ 金春 穂高
前ツレ 金春 嘉織
後ツレ 金春 飛翔
ワキ 原 大
ワキツレ 原 陸
ワキツレ 久馬 治彦
アイ 茂山 千五郎
笛 赤井 要佑
小鼓 荒木 建作
大鼓 上野 義雄
太鼓 上田 慎也
〈休憩 20分〉
狂言「薩摩守」 シテ 茂山 茂
アド 松本 薫
アド 茂山 千之丞
仕舞「養老」 中村 昌弘
「角田川」 髙橋 忍
能「杜若」 シテ 金春 憲和
ワキ 原 陸
笛 赤井 啓三
小鼓 荒木 建作
大鼓 上野 義雄
太鼓 上田 慎也
付祝言
(終了予定 午後5時頃)
主催:奈良金春会
後援:奈良県、奈良市教育委員会、(公社)金春円満井会
5枚綴回数券 20,000円
一般1回券 5,000円
学生1回券 2,500円 ※
※ 申し訳ございませんが、学生券は、当館ではお取り扱いしておりません。
下記お問い合わせ先までお願いいたします。
◎奈良春日野国際フォーラム 甍~I・RA・KA~ 電話:0742-27-2630(月曜休館)
◎奈良金春会 電話:0742-33-9720(金春)
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